新生児から1カ月までの赤ちゃんの話③

向き癖と頭のゆがみ

赤ちゃんは左右どちらか一方の頭を下にして寝る傾向があり、3カ月を過ぎる頃に頭が変形している場合もあります。しかし斜頸などがない限り心配ありません。1才を過ぎて頭を上げて生活し出すと次第に治り、2~3才でわからなくなります。

おへその出っ張り

生後1カ月頃から、特に泣いたときなどにおへそが飛び出る赤ちゃんがいます。臍ヘルニアと呼ばれる状態ですが、世界的な教科書には「圧迫しても効果はないし、自然に治る」とあります。
しかし、大きく飛び出ると、おへその皮膚が伸び、最終的にしわの多いおへそになることがあります。また、最近日本の小児科医の間では「持続的に圧迫した方が早くきれいに治る」という意見も出てきました。圧迫法を検討される方は、ぜひご相談ください。

赤ちゃんと風邪

「生まれたばかりの赤ちゃんは風邪をひかない」といわれますが、根拠はありません。生後1カ月未満で風邪をひく新生児はよくいます。
生まれて間もない頃は免疫も弱く、気管支炎や肺炎に発展することも珍しくありません。特に冬のRSウイルスは、成長後に感染しても鼻風邪程度ですが、乳児は重症の気管支炎を起こすことがあるので要注意です。
その意味でも、できるだけ生まれたばかりの赤ちゃんは外に連れ出さないでください。

皮膚のかさかさ

新生児の皮膚がかさかさになり、はげ落ちることがありますが心配いりません。ほぼ1カ月頃までにはきれいな皮膚になります。保湿剤などを塗ってもよいですが、原則的には不要です。

最初の1カ月

この時期、赤ちゃんに話しかけてもあまり反応はありませんし、お母さんの顔をじっと見ることもないでしょう。
しかし、赤ちゃんは親の声を聞いています。1カ月を過ぎる頃から、お母さんが声をかけると一瞬泣きやんだり、じっと見たりするようになります。しっかり赤ちゃんに話しかけてあげてください。

お父さんへ

お母さんは赤ちゃんが産まれた喜びとともに、昼間はもちろん、夜も3時間ごとに哺乳しなければならず、赤ちゃんで精一杯になるのが普通です。
ちょっとした症状や様子の一つひとつから不安を抱える場合もあり、経験したことのない精神的、肉体的なストレスにさらされます。
かつては身近で育児経験のある人が手伝える機会が多くありましたが、現在は核家族が多く、またお母さんが仕事を持っているようなケースも多くなってきました。出産そのものは昔からそれほど変わりませんが、育児は家庭環境や社会の変化に伴って変わっていきます。
現代は、父親の物心両面にわたる協力が必要不可欠です。

育てるのが楽な子もいれば、苦労する子もいるのが普通です。ほかの育児例は参考にはなっても比較はできません。
お母さんが育児に苦労して悩んでいるときには、しっかりその悩みを受け止めてあげてください。仕事で疲れているときもあると思いますが、今まで以上にお母さんを気遣い、赤ちゃんに声をかけてあげてください。

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