食物アレルギーについて
最近食物アレルギーの患者さんが増えてきました。乳児期の湿疹や離乳食を進める過程で初めての食物で嘔吐、蕁麻疹や湿疹などの症状が出る場合が多く、原因の食物は卵、ミルク、小麦、大豆などが多いようです。診断は皮膚テスト(プリックテスト)や血液検査(RAST値)などで確定されますが、これらの検査や食物負荷試験が陽性であってもほとんどの場合少しずつ食べることが可能です。
しかし、患者さんの自己判断での解除は時としてアナフィラキシーなどの重篤な症状を引き起こすこともあり危険です。日本小児アレルギー学会では過度の除去は推奨せず、強い食物アレルギーの患者さんはアレルギー専門医(当院院長は日本アレルギー学会専門医です)による解除の指導を勧めています。
食物アレルギーの治療
除去の開始はできれば乳児期後半から、遅くとも2歳までに微量から開始して少しずつ増やしていく解除方法で順調に行く場合が多いように思います。3歳前後から様々な理由で解除が進みにくい場合があるので早めに治療を開始することをおすすめします。
微量から開始するので、他院で除去が開始できない場合でも当院では可能な場合も多いです。
除去解除の実際
クリニックでは患者さんの年齢、アレルギーの程度、原因食物の調理方法、量などを考慮して、市販の具体的な食品とその量を指示して外来で徐々に解除を進めています。自宅で開始するのが少しでも不安と思われる場合は、クリニックで食べていただき、その後しばらくクリニックで経過観察して、安全を確かめた後家庭で始めていただきます。
またクリニックで負荷することも危険と判断される場合は入院して負荷試験をする病院(北野病院小児科、京都大学医学部附属病院小児科など)を紹介させていただき、安全な量を確認してから家庭で始めていただきます。
いつまでも除去を続けず、少しずつ解除しましょう。卵アレルギーを治す薬は卵の摂取です。