2019.09.14更新

最近食物アレルギーの患者さんが増えてきました。乳児期の湿疹や離乳食を進める過程で症状が出る場合が多いようです。
診断は皮膚テスト(プリックテスト)や血液検査(RAST値)などで確定されますが、これらの検査が陽性であっても少しずつ食べることが可能な場合が多くあります。しかし、患者さんの自己判断での解除は時としてアナフィラキシーなどの重篤な症状を引き起こすこともあり危険です。日本小児アレルギー学会では過度の除去は推奨せず、強い食物アレルギーの患者さんはアレルギー専門医による解除の指導を勧めています。
除去の開始はできれば乳児期後半から、遅くとも2歳までに少しずつ始めるほうが順調に行く場合が多いように思います。3歳を過ぎて強い食物アレルギーの場合解除が進みにくい場合もあります。
クリニックでは患者さんの年齢、アレルギーの程度、原因食物の調理方法、量などを考慮して、市販の具体的な食品とその量を指示して外来で徐々に解除を進めています。自宅で開始するのが少しでも不安と思われる場合は、クリニックで食べていただき、その後しばらくクリニックで経過観察して、安全を確かめた後家庭で始めていただきます。またクリニックで負荷することも危険と判断される場合は入院して負荷試験をする病院(北野病院 京都大学医学部附属病院 など)を紹介させていただき、安全な量を確認してから家庭で始めていただきます。

投稿者: 片村クリニック

2018.04.16更新

2018年4月12日(木)の午前にNHKでおたふく風邪のために片側の難聴になったお嬢さんを持つ家族のドラマ(半分青い)が放送されました。
おたふく風邪(流行性耳下腺炎)はほとんどの方が一過性の耳下腺の腫脹、疼痛、発熱の後、自然に回復します。一部の患者さんではウイルスによって髄膜炎、睾丸炎などの合併症を起こします。しかし、おたふく風邪ウイルスによる難聴についてはあまり知られていません。この難聴を起こすと治療法が無く、生涯に渡って聴力が回復することはありません。片方の耳が聞こえても、ドラマで説明されているように様々な日常生活のうえでの不便が伴うようになります。
また、思春期の男児がかかると睾丸炎を起こすことがあります。この合併症も有効な治療法がなく、不幸にして両側の睾丸炎を起こすと不妊症の原因になります。
現在これらの合併症を防ぐためには予防接種しかありません。1歳になったら1回目の接種、小学校入学前に2回目を接種するのが理想的です。残念ながら公費の対象ではないため自費になりますが、子供さんのために是非考えて上げて下さい。

投稿者: 片村クリニック

2016.06.01更新

スギ花粉症の季節も終わって、患者さんにとっては少し落ち着いた頃でしょう。

最近新しくアレルギー性鼻炎に対して舌下免疫療法といって、アレルギーの原因になる物質(アレルゲン)を舌の下に少量から投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療方が登場しました。

スギ花粉の季節には開始できませんが、今はちょうど始めるのに適当な時期です。ご希望の方、説明を聞いてみたいと思われる方はクリニックまでご連絡下さい。

舌下免疫療法はダニによる通年性アレルギー性鼻炎の方用の薬もあります。

成人・小児にも適応がありますので親子ではじめられるご家族もおられます。

投稿者: 片村クリニック

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